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2005.04.11

右ハンドルのランボルギーニ・ミウラは存在するのか?

今のイギリスがブリタニアと呼ばれローマ帝国領だった頃、既に交通は左側通行であったらしい。時は下り1700年代の終わりにアメリカで右側通行への移行が生じたと言われる。米大陸では連頭立ての荷馬車の馬車部に御者席がなく、御者は左後方の馬に乗り馬車を操った。すると右側通行で自分が道の中央寄りに位置した方が車幅をつかみやすく離合の際に荷車の接触を避け易かった。

対して英国の馬車は依然小型で馬車に御者席があり、その右側に座って操縦したらしい。そうすると左側通行のままの方が御者が道路の中央寄りに位置することになり何かと都合がよいことになる。こうして大英帝国の左側通行は版図の拡大と共に拡大され、そして縮小した。現在ヨーロッパで左側通行を採用するのは英国、アイルランド、キプロス、マルタである。

M小林氏が“M小林の日々思うこと”に右ハンドルのランボルギーニというエントリをアップしておられる。以下に一部引用する。

「ガヤルドはリヤ流して走るはドカッティはコーナー立ち上がりでウイリーするわで派手な走りを展開しています。わたし的にはこっちの方が断然面白かったですね、右ハンドルのランボなんて初めて見た気がするし。。。」

私もこの映像をDLして見たのだが、確かにエキサイティングだ。そして最新型のガヤルドにも右ハンドル英国仕様が存在するのだと感慨を深めた。というのは今は昔NEKO PUBLISHINGが刊行していた季刊"SUPERCAR CLASSICS"には多くの右ハンドルのSUPER CARが登場していたからだ。

Img_5379

"SUPERCAR CLASSICS"は英"SUPERCAR CLASSICS"誌と提携しており英誌の翻訳記事が多数掲載されていた。それらは日本の高級自動車誌の記事とは一線を画するもので、動力性能や旋回性能を描写するにしても業界的な"通"の専門用語は使わず常に格調高い筆致が貫かれていた。その"SUPERCAR CLASSICS"に登場した右ハンドル英国仕様車を以下に挙げてみよう。(車名 車体色 登録ナンバー(英国)の順)

ランボルギーニ・ミウラSV 赤 HRD41
ランボルギーニ・ミウラSV ライムグリーン VAB11G
ランボルギーニ・ミウラP400 赤 EVG66H

ランボルギーニ・カウンタックLP400 赤 JYP43N
ランボルギーニ・カウンタックLP400 橙 3DUU

フェラーリ365GT4/BB 赤 JJH574N
フェラーリ365GTB4/デイトナ 赤 YBK738C
フェラーリ365GTC/4 水銀 HPL22K
フェラーリ308GT4 赤 UAY671S
フェラーリ250GTO 赤 EUP977B
フェラーリ250SWB 赤 574NOT
フェラーリ250GTベルリネッタ・ルッソ 深緑 JSB40
ディノ246GT 赤 HMT65J
ディノ246GT 紺 CPJ6

ポルシェ356Aカレラ 銀 KBW777
ポルシェ911ターボ 白 VSS79?

ランチア・ストラトス アリタリアカラー ??

まだ他にもあったのだがマイナーなものは排除した。またルマンカーのように当初から右ハンドルとしてデザインされと思われるものも排除している。このリストを多数と見るか寡数と見るかはそれぞれだと思うが、注目すべきは右ハンドル仕様車が厳然と存在してきたという事実である。そしてそれはキプロスやマルタ、はたまた日本のためでなく大英帝国の富裕者のためであったのは言うまでもない。

昨今日本仕様の右ハンドル欧州車は頓に増えたが、未だ外車は左ハンドルの方がステイタスがあるという風潮も消えていない気配である。勿論、純粋に機械として左ハンドル車としてデザインされた車は、その本来の姿が正しいのだという意見もあろう。例えば左ハンドル車を右ハンドル仕様にすると、ABCペダルの位置関係や操作性が損なわれるということがある。張りだしたフロントのホイルハウスとの干渉を避けるためにペダル類がセンタートンネル寄り(つまり左寄り)にオフセットされ、結果的にスロットルワークやブレーキングの操作性がスポイルされるというのだ。然り、その通りである。

けれども件の英誌上では、そのような"泣き言"は皆無(といって良いだろう)なのである。ここが興味深いところだ。私推するに"日の沈まぬ国"かつての大英帝国、女王陛下のお国のSUPER CARを所有しようという富裕層は、自国の道交法に合わせた車を当然のごとく要求し、それがその車のあってしかるべき姿と捉えているのではあるまいか。ゆえに右ハンドルのミウラ、カウンタックが存在し。売ることに執心だったフェラーリは当然右ハンドル車を用意したとして、ストラトスの右ハンドルまでが存在したのだと。そのあたりに歴史的金持ち度の違いというか、文化の違いというか、腐っても鯛というか、大英帝国から今のコンパクトな英国となっても、プライドというか、自信というか、我が道を行くというか、岩のように確固とした土台の上にSUPER CAR文化があるような、そんな気概を感じるのである。

@Yoozigen

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